xR学生大忘年会 ご報告

UT-virtualでは、2018年12月22日(土)、渋谷のEDGEof TOKYOとVRChat会場にて、EDGEof共催のもと、xR学生大忘年会を開催し、大勢の皆さま方にお集まり頂きました。

かねてから上がっていた「全国のxRに関わる学生が集い、交流するイベントが欲しい!」という多くの声を受けて企画が立ち上がり、準備を進めてきたものです。
師走のお寒いなか、全国からご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

開催にあたっては、株式会社メルカリ様より、ご協賛をいただきました。
ご支援を賜り、改めまして心より御礼申し上げます。

開会に先立ち、株式会社メルカリの諸星一行氏ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社簗瀬洋平氏よりご挨拶を賜りました。

xR学生大忘年会は、まず1分LT大会から始まりました。
国際学生対抗バーチャルリアリティーコンテスト(IVRC)をはじめ様々なコンテスト、学会、勉強会にて実績のある多彩な登壇者による発表とスライドは、いずれも聴きごたえのある内容ばかりで、当然ながら会場のあちこちから「時間が足りない」「もっと話を聞きたい」という声が多数あがっていました。

続いて参加者全員によるアイデアソンが行われました。
リアル会場7組、VRChat会場1組の計8グループに分かれ、運営が準備したテーマからくじ引きをし、時間内に、それぞれ与えられたテーマに基づいてテクノロジーを使った新しいコンテンツのアイデアや、社会的なソリューションを提案し、模造紙やスライドにまとめ上げて発表しました。

【お墓】
1チーム目、お墓チームの提案は『バーチャルなお墓』でした。
「バーチャルな人格は個人個人で死の定義を作れる」と提起し、5年ログインしなければ死んだと考えてはどうか、等の提案がされました。今どきの学生なら誰もが一つは持っているであろう一定期間ログインしなかったアカウントについての大変身近な問題提起でした。

【故郷】
2チーム目、故郷チームの提案は『故郷ジェネレーター』でした。
「故郷とはなにか?故郷とは人間関係も含むのではないか?」と提起し、個人個人のSNSからライフログを取り、バーチャル空間に反映してその人の「サザランド」を作っていくという提案でした。「サザランド」いう名前が出されて、会場中が笑いに包まれたのはxRに関わる学生の忘年会ならではでした。

【VTuber】
3チーム目、VTuberチームの提案は『VTuberブームの鍵』でした。
「VTuberブームの鍵は、ギャップ萌えとインタラクションではないか?」と提起し、自分の性格を分析して性格と正反対のアバターを作り、自動的にギャップ萌えが生まれるコンテンツや、VTuberと二人でデートしているような感覚を味わえるコンテンツ、女子高生をターゲットに「盛れる」コンテンツなどが提案されました。昨年後半からに今年にかけて、いわゆる一般ユーザーと呼ばれる方々にまで浸透した感のあるVTuberについての提案は、まさに2018年を象徴するものでした。

【睡眠】
4チーム目、睡眠チームの提案は、今年5月頃に話題になった『VRChat寝落ち』でした。
VRChat寝落ちから着想を得て、HMDを被ったまま集団寝落ちするコンテンツ、睡眠障害の方などを対象とした目を閉じなければ出来ない操作を組み込むことによって入眠を促すコンテンツ、明晰夢を導けるVR/ARコンテンツなどが提案されました。

【スポーツ】
5チーム目、スポーツチームの提案は『人間ボウリング』でした。
人間ボウリングというコンテンツを考え、ボール役は痛みの代わりに得点を得られる。投げる人とボール役を交互に入れ替え、痛みに耐えられなくなったほうが負ける、痛みに伴って点数も高くなる(という作戦も重要になってくる)ゲームが提案されました。

【学校】
6チーム目、学校チームの提案は『もし学校というコミュニティをVRで表現したら…?』でした。
「もし学校というコミュニティをVRで表現したら…?」と提起し、メリットとデメリットを挙げて、周囲の目を気にせず積極的になれる。めんどうな人間関係はミュートやブロックで調整する等の提案がされました。

【恋愛】
7チーム目、恋愛チームの提案は『VR上でイケメンになって自信を持てれば恋愛における障害を無くせるのでは?』でした。 起きたらイケメンVR、ストーカーされるVR、リア充を爆発できるVRなどが提案されました。VR上では「髪型変えた?」ならぬ「テクスチャ変えた?」という会話になるのでは?というパワーワードが飛び出し、会場が沸いていました。

【クリスマス】
8チーム目、クリスマスチームの提案は『ホロサンタ×ドローン』でした。
「クリスマス夢ない問題」と提起し、ドローンによって家の上にホロサンタが来たら保護者のスマホに通知が届き、子供に空を見るよう伝えるとサンタさんがいる!という提案がされました。「サンタ実在しない問題」とスライドに表示された時は「えっサンタさんいないの?いるよね??」とざわつきましたが、夢ある素敵な提案だとわかり、会場のBGMにクリスマスソングが流れたことも重なって、クリスマスムードが漂うなかでアイデアソンの締めとなりました。

チーム発表後には、ゲストでUT-virtual顧問でもある東京大学先端科学技術研究センター稲見昌彦教授にチームごとに講評を頂きました。

会場が盛り上がったところで、食事をまじえながらの懇親会にうつりました。
今回、懇親会での飲み物や食べ物は株式会社メルカリ様よりご提供いただきました。
重ねまして心より御礼申し上げます。

歓談タイムでは、あらかじめ運営にてご用意し、受付にて選んで頂いた『肩書きシール』『君のコンテンツ体験させて!』『一緒にご飯行こう』などのユニークなカードを使いながら、和やかな交流が生まれていました。これまで同じ学会や勉強会でご一緒するも、なかなかお話しする機会に恵まれなかったり、業績やお名前は兼ねてから存じ上げていたという方々に、ご挨拶がかなって良かったという嬉しいお声をたくさん頂きました。

お話しは尽きませんでしたが、楽しい時間はあっという間に過ぎて、名残惜しくもお開きの時間となってしまいました。

最後に記念撮影を行いましたが、なんとここで稲見先生が自らシャッターを切って下さるという嬉しいハプニングがありました。稲見先生にお目にかかりたいと遠方からお運び下さった方々もいらっしゃり、カメラを構える稲見先生に向かってカメラを構えるという構図に会場中が笑いに包まれながらの、明るいお開きとなりました。本イベントでの交流の意義を、その場で終わらせることなく、皆さま方の今後の作品制作やxR分野の興隆にお役立て頂けましたら、これほど嬉しい事はありません。

最後になりましたが、このたびのxR学生大忘年会に関わって下さった全ての皆さま方に、改めまして心より深謝申し上げます。
xR学生の、xR学生による、xR学生のための初のイベントだったと自負しておりますが、 なにぶん初めての試みで、行き届かなかった点が多々あった事と存じます。
頂いた貴重なご意見は真摯に受け止め、必ず今後に繋げていく事で、お支え下さった皆さまへの御礼と感謝に代えさせて頂きたいと思っております。歳の瀬のお忙しい時期に、私どもとお時間を共有していただき本当にありがとうございました。

この記事がお目に留まる頃、皆さまそれぞれ新たな年をお迎えの事と存じます。
2019年が、皆さまにとりまして、またxR分野にとりまして明るく希望に満ちた一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。そして今後ともUT-virtualをどうぞよろしくお願いいたします。

( 文:Mari Kotani 写真: Koshin Ide、 Mari Kotani )