WOGO 代表 秦竟超氏 講演会

はじめに

11月26日、株式会社WOGO代表の秦竟超(しん こえる)さんにお越しいただき、スマートフォンに搭載されたカメラ及びLiDARを使用したスキャンやフォトグラメトリについて、またメタバースの到来に向けて3Dモデルの制作をどう変えていくのか、デジタルツインなどのトピックも絡めながら講演を行っていただきました。

 

 

3Dスキャンアプリ WiDAR Scan

はじめに、WOGOが開発している3Dスキャンアプリ「WiDAR Scan」について紹介して頂きました。
WiDAR Scanは「世界で最も完成度の高い、モバイル3Dスキャン&共有アプリ」とのことで、基本機能としては3Dオブジェクトのスキャン、スキャンしたモデルのビューと共有、出力といった機能を有しているそうです。
さらに、既に大手不動産仲介サイトとの提携や東大研究室との共同研究に取り組んでおり、コラボレーションの方法を模索しているとも語りました。

また、アプリを使用したスキャンの様子について解説を交えながら見せて頂き、LiDARを使用した部屋の形状認識やクラウドを介したフォトグラメトリ処理について解説して頂きました。

3Dを全ての人に

続けて、WOGOという会社の目指す未来とサービスの展開について話して頂きました。

WOGOは「3Dを全ての人に。」というフレーズを掲げており、ミッションは「バーチャル物作り」の民主化であると語りました。WOGOの目的はデジタルでの物作り(モデリング)のハードルを下げることで、クリエイターやエンジニアのような3DCGのツールに触れてきた人だけでなく、部屋の内装業者や園芸家などの職業を持つ人、また一般の個人にまで物作りの機会を届けることであり、そこからアパレルやインテリアなどの業界とを繋げていきたいと話しました。

また、今後形作られていくであろうメタバースに向けて、エンジニアやデザイナーに発注してワールドやモデルを作ってもらうのではなく、個々人がそれぞれで物作りを行うことで本当に欲しかったものが手に入るのではないかとも語りました。

さらに、3Dスキャンも今日までの2Dの写真編集技術と同じような歴史を辿るだろうと述べ、メタバースの普及やARグラスの普及した未来には必要不可欠なものになっているのではないかと話し、またそういった時代のコンテンツに向けて全ての人が3DCGの物作りをしなければいけないのではないかとも語りました。

技術的に面白いことを

最後に、秦さん自身の大学での経験についてとUT-virtualの部員へメッセージを話して頂きました。

大学時代、様々な失敗を経験した秦さんですが、経済の状況など先行の暗い中、なるべく就職したくないという気持ちをずっと抱いていたと言います。そんな後悔の多い大学時代の中で、これだけはやって良かったこととして秦さんが挙げたのは「新しい技術に対する勉強を怠らなかったこと」でした。

独学で機械学習を始め、そこから見つけた縁を紡いで起業へと至ったと語る秦さん。興味を持った最新技術に対して恐れず飛び込んでいくことが大切だとし、技術的に面白いことをしていくべきと話しました。

さいごに

講演の後には部室にて3DスキャンにやUT-vritualで製作したものを体験して頂き、またWiDAR Scanアプリを使って実際に3Dスキャンを行ってみるなど、楽しい一時を過ごさせて頂きました。

10月にはFacebookも社名をMetaに変更し、メタバースの世界が迫りつつある現在、3Dスキャンはより一層脚光を浴びることになっていくと思われます。秦さん、並びにWOGOの皆様、改めてこの度はUT-virtualで講演をして頂き本当にありがとうございました。

 

(文: Kaiba 写真:UT-virtual)