はじめに
4月12日、H2L Inc. CEOの岩崎 健一郎氏・エヴァンジェリストの堀江 香子氏にお越しいただき、ハードの開発に関することやH2Lが見ているビジョンについてお話いただきました。
H2Lってどんな会社?
H2Lは2012年に設立された会社で、VR・AR技術を用いた体験の共有をビジョンとして掲げています。具体的なプロダクトとしては、スマホVR用のVRゴーグル、腕に装着し筋変位センサや電気刺激を用いるデバイスなど、どちらかというとハードのプロダクトが多いようです。
Body Sharingのもたらす未来
H2Lの目指す未来の中核となるのが”Body Sharing”というコンセプトです。Body Sharingとは、「VR・AR技術などのテクノロジーを用いることにより実現される、時間や空間を超えた体験の共有」といった意味です。それが実現すれば、例えば、重い病気で病院から出られない人でも旅行が楽しめる、今はもうなくなってしまった建物の中に入り、物理的にはもう存在しないものに触れる、遠い場所にいても触れ合うことができる、などなど様々なことが可能になります。そんな未来が来るのが待ち遠しいですね...BodySharingに関しての詳細は,こちらの動画をみてみてください!
電気刺激による力覚の提示
お話の中で、Body Sharingの未来を実現するために作っているプロダクトをいくつか紹介していただきました。特徴的なのは、電気刺激を利用している製品です。以下、二つのデバイスを紹介します。
“FirstVR”は、スマホ用のVRゴーグルと腕に巻く電気刺激の装置を組み合わせたプロダクトです。腕に装着するデバイスには筋肉の動きを検知するセンサー(=筋変位センサー)がついており、人の手の動きを認識することができます。すなわち、手の動きをVR体験における入力インターフェースとして利用できるようになっているのです。例えば、手を閉じる動作をすることでVR上でもものを掴むことができるなど、より自然な体験が可能となります。没入感の向上に繋がる有効なアプローチだと感じました。
“Unlimited Hand”は、FirstVR同様腕に装着して使う製品なのですが、大きな違いがあります。それは、筋変位センサーによる入力に加えて、電気刺激による触覚の提示が可能となっていることです!デバイスから弱い電気を流し、手や腕の筋肉に刺激を与えることができます。驚くべきはその精度です。筆者も実際に体験させていただいたのですが、電気刺激により手の中指だけを曲げることも実現できていました。そんなピンポイントで制御できるものなのか、と感心してしまいました。電気を流された感覚としては、少しピリピリするかなくらいの感じでした。それ以外にも、手首を曲げるなど、ある程度大きな動きも提示できており、とても可能性を感じるデバイスでした。これで実際に何か作ってみたいですね!
最後に
今回の講演会では、VR・ARやその他のテクノロジーで実現しうる未来の話から、ハードの技術的な話まで、様々なことを教えていただきました。UT-virtualのメンバーも皆興味深く聞いていたようで、今後の活動のアイディアにも繋がっていくと思います。岩崎様、堀江様、刺激的なお話をありがとうございました!
H2L Inc.公式サイト:http://h2l.jp/
今後の予定
第92回東京大学五月祭
・日時:2019年5月18日(土)・19日(日)
・場所:東京大学本郷キャンパス 工学部1号館 2階 16号室・17号室
UT-virtualの令和元年はじめてを飾る大イベントとなります!
告知解禁をお楽しみに!どうぞご期待下さい!
(文:Ryu Kudoh 写真:Mari Kotani)